『吟醸掌篇』とは

……短篇小説をあれこれ愉しむ文芸誌です。


『吟醸掌篇とは』?

知る人ぞ知る小説家たちのアンソロジー。

そして、

ものすんごく小説を読んでいるスーパー読書人たちによるあざやかな文学コラムが、

読書欲をかき立ててくれる、短篇専門の文芸ムックです。

 

〈どっこい書いてる作家たち、集まりました〉

「新人賞をもらったはいいけどじき消えちゃう人たちって、

どうしてるのかね」

なんて声をときどき耳にします。

どうしてるか!?

書いてますよ! 

近所で笑われても、自分を小説家だと信じて

毎日書き続けておりますとも!

 

そんなとある書き手が、たんす貯金をちまちま貯め、

「同じ境遇にある」と勝手に思った「お仲間」に声をかけ、

書き溜めた力作を提供していただいて、

「売れない作家の実力を見せてやろうじゃないか!」

と、2016年5月、『吟醸掌篇』第1巻は誕生しました。

その後も、編集人の貯金が貯まり次第、だいたい1年半~2年に1度を目標に、

ちまちまと発行してゆこうと頑張っております。

 

〈だけど何より、読者が愉しめる文芸誌を!〉

チャンスのない作家に発表の場をつくる、というのは大切ですが、

しかし、

「売れない作家の原稿の寄せ集め」など作っても、誰が読みたいでしょう。

ともかく、小説が好きな読者に愉しんでもらえるよう、

また次号も読みたい! と思ってもらえるよう、

温情ぬきで買ってもらえるよう、

「ちゃんとした文芸誌」でなくては意味がありません。

 

同人誌にも、もちろん、ものすごくレベルの高いものがあることは

敬意をこめてわきまえておりますが、

『吟醸掌篇』は、作者がお金を払って掲載したい作品を持ち寄る同人誌ではなく、

プロとして読者にお見せできるレベルの作品のみをご寄稿願い、

激安(なんと400字1枚=400円!)ながら原稿料をお支払いして誌面を作ることにしました。

 

そしてまた、もう少し欲をかいていて、

ここでしか読めないような、個性のたぎる作品たちを載せられたら、

と野望を持っています。

この人にしか書けないもの、

書かれずにはいない主題、

小説でしか描き得ないこと……。

 

また、なかなか難しいのですが、

「このテーマ、この言葉はNG」とかいった

ものごとの本質を見ずに言葉を刈ってしまうことからも、できる限り自由でいたいです。

(これは、正解がないし、本当に本当に困難が伴うのですが)

ただ一つ、お断りするのは、

自らの差別意識の表明を意図した作品、だけです。

 

また、テーマを短篇小説にしぼって、

短篇をお題に、あれこれと読書の話題を盛り上げるべく、

個性的な切り口の文学コラムを、ライターの方や、SNSなどでお見かけした読書人のかたに書いていただくことにしました。

なかなかの名コラムニストがそろいつつあり、

『吟醸掌篇』文学コラムニスト誕生の場になるのでは

わくわくしております。

 

小説好きの皆さま、

これから小説なんぞ読んでみたいなあ、と思われる皆さま、

ご関心を賜れましたら、ほんとうにうれしく存じます。

 

皆様のご関心を裏切らぬよう、よき誌面を作ってゆきます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

『吟醸掌篇』編集人:栗林佐知

2019年4月吉日 第3号の校了を終えて。